臨床開発ユニット

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Ⅰ.第一三共と連携した医薬品開発の推進

臨床開発部は、第一三共グループのモニタリングを中心とした臨床試験の実施を担うプロフェッショナル集団です。主に、第一三共は臨床試験全体の企画・調整業務、第一三共RDノバーレは臨床試験の実務を行っています。
第一三共グループというブランド力により医師・医療スタッフからの厚い信頼を得ており、患者さんからも大きな期待を寄せていただいています。我々は第一三共グループで創生した薬を一日も早く患者さんに届けたいという思いで、医薬品開発を実施しています。

Ⅱ.高品質かつ効率的な臨床試験の実施

臨床開発部は、第⼀三共グループの医薬品開発を第I相試験から第Ⅲ相試験、製造販売後臨床試験および臨床研究まで幅広く実施しています。また、第⼀三共グループの⼀員であることの強みとして、医療の現場で培ったノウハウを医薬品開発の計画段階から活かすことで、課題への的確なアプローチが可能となり、⾼品質かつ効率の良い臨床試験を実現しています。

Ⅲ.オンコロジー領域を中心とした豊富な経験と高い専門性

臨床開発部では、豊富な経験を基に、オンコロジー領域を中心に幅広く医薬品開発を実施しています。
オンコロジー領域では高い専門性を活かし、抗体薬物複合体(ADC:Antibody Drug Conjugate)等、第一三共グループの最先端で重要な医薬品の試験を実施しています。
生涯で2人に1人ががんになる時代において、いまだ数多く存在している満たされていない医療ニーズに
応えるよう尽力しています。

直近3年間で受託した業務 (2021年12月現在)

直近3年間で受託した業務(2021年12月現在)の内訳のグラフ

オンコロジー...48%、循環器/高血圧...21%、ワクチン...12%、内分泌/代謝...12%、希少疾患...2%、その他...5%

Ⅳ.グローバル開発も視野に入れた人材の育成

臨床開発ユニットでは新入社員には座学やOJTを中心とする充実した研修を行うほか、新入社員以外にも個々のスキルに応じてきめ細やかな研修を実施するなど、社員の成長を継続的にサポートしています。
第一三共グループが推進するオンコロジー領域やグローバル開発を担当するには、専門的な医学知識や英語能力が欠かせません。医師による医学研修、ネイティブ講師による選抜制英語研修を実施する等、
プロフェッショナルな人材の育成に注力しています。

研修の例

【新入社員研修】

  • 第一三共グループの全新入社員を対象とした合同研修(4月):第一三共グループ全体の理解を深めるための研修
  • 第一三共グループの研究開発部門に所属する新入社員を対象とした合同研修(5~6月)
    : 研究開発関連業務の基礎知識、ビジネススキルを得るための研修

【社員研修】

  • 他社との共同企画による若手モニター研修
  • 医師による医学研修
  • ネイティブ講師による選抜制英語研修
  • メディカルライティング研修、IT研修(Excel、Microsoft Office Wordなど)

第一三共RDノバーレの臨床開発部の組織図

第一三共RDノバーレの臨床開発部の組織図。臨床開発部には臨床試験等のモニタリング・オペレーション業務等を担当する開発第1〜4グループ(開発職)と教育研修、業務手順書管理、メディカルライティング等を担当する業務QCグループ(スタッフ職)が属する。

主な業務内容

スタディマネジメント

医薬品開発に関わる知識と経験を活かし、臨床試験開始から承認申請後の規制当局による監査まで、臨床試験を円滑に進めるために臨床試験全体の業務に幅広く対応します。
臨床試験開始前の実施施設の事前調査やモニタリング計画の作成、臨床試験の遂行に必要な文書の作成、承認申請後に規制当局により実施されるGCP適合性調査対応まで、臨床試験の推進・管理及び申請関連業務を行います。
第一三共が業務委託している各種ベンダー※への指示や管理業務、他にも、治験薬に関する管理手順の作成や配送に関する業務等、試験横断的な業務も行います。

※ベンダー
治験依頼者が臨床試験の依頼と管理において活用しているCRO、SMO、臨床検査会社、治験薬保管施設や治験薬配送業者など。

主な業務内容
  • 臨床試験実施計画に従った進捗管理、予算管理、品質管理
  • 臨床試験実施に係る文書のレビュー、作成
  • プロジェクトチーム内での主要な連絡窓口として、臨床試験の調整業務
  • 臨床試験実施中に発生する問題事象への対応、防止策の策定・実行
  • 臨床試験に関係するベンダーの管理
  • 承認申請後の規制当局の調査準備、対応
モニタリング

臨床試験はGCPで「被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図り、治験の科学的な質及び成績の信頼性を確保する」と定められています。モニタリングとはモニター(CRA:Clinical Research Associate)がGCPに準拠して臨床試験が適切に実施されているか確認することです。近年は医療環境の変化やグローバル化にも対応が必要で、臨機応変で機動的な対応力が求められます。
また、少しでも効率よくスピーディに実施できるよう過去の経験と実績を活かしてプロセス改革にも取り組んでいます。

主な業務内容
  • 臨床試験実施施設、治験責任医師の調査・選定業務、依頼・契約手続き
  • 臨床試験開始時の医療機関への説明会
  • GCPおよびプロトコールの遵守確認/進捗管理、安全性情報収集・提供
  • 直接閲覧・原資料と症例報告書の照合、回収
  • モニタリング報告書作成
治験環境の改善を目指した活動への取組み

治験で多く発生する文書を電磁化(ペーパーレス化)することで、効率アップやコスト削減が可能になるだけでなく、情報の信頼性が向上し、様々なリスクにも備えることができます。
臨床開発部は、「日本医師会 治験促進センター」と協力し、カット・ドゥ・スクエアの医療機関への導入を推進しています。この活動で得られた知識やノウハウは、「日本臨床薬理学会」や「CRCと臨床試験のあり方を考える会議」などを通じて対外的に発信し、治験環境の電磁化を目指しています。

※カット・ドゥ・スクエア:日本医師会 治験促進センター」が提供する、治験業務全般に関わる手続き文書等の作成、授受、保管を電磁的に行うクラウドシステム。

外部発表の例
  • 第35回 日本臨床薬理学学会:第一三共グループのカット・ドゥ・スクエア導入事例
  • 第16回 CRCと臨床試験のあり方を考える会議:第一三共RDノバーレの電磁化への取り組み
  • 第19回 CRCと臨床試験のあり方を考える会議:大規模試験へのカット・ドゥ・スクエア導入のアプローチ
  • 第12回日本臨床試験学会 第12回学術集会総会:クラウド型文書管理システムの導入推進および利用者アンケートの実施(NEW!)
DO(ドキュメントオペレーター:Document Operator)業務

モニターと連携し、内勤で対応できるモニタリング業務の一部を実施しています。
臨床試験では様々な情報を記録として残すため大量の文書が発生します。試験に必要な書類の作成や文書の管理を行います。個別の施設提出資料の作成対応や施設への連絡メール配信、カット・ドゥ・スクエアなどのクラウドシステムへの文書登録なども実施しています。

メディカルライティング

メディカルライティングとは、疾患・医薬品等の専門知識を活かし、医薬品に関連する様々な文書類を作成する業務です。
本業務を適切に実施するためには、一般的に以下の要件が求められます

  • 正確な文書作成能力
  • 医学・薬学用語に精通した語彙力
  • 文書の根拠となる国内外の論文等の読解力
  • 治験依頼者の各部門と円滑に連携するためのコミュニケーション能力

メディカルライティング業務は文書の作成だけではなく翻訳や校閲なども行います。また、作成された文書が薬機法など各種法令やガイドラインを遵守している内容であることを確認することもあります。

主な業務内容
  • 治験実施計画書の作成
  • 総括報告書(臨床試験の結果を記載したもの)の作成
  • 医薬品の添付文書等の作成
  • 医薬品の承認申請等に関わる提出文書の作成
  • 医薬品開発に関わる、英語文書の翻訳版の確認
品質管理

臨床開発部ではGCP等法令を遵守した臨床試験を行うため、データの正確性・信頼性を確保し、主にモニター(CRA)、クリニカルリーダー(CL)及び品質管理担当者(QC:Quality Control)がOne Teamとなり臨床試験の品質を管理しています。

品質管理担当者の業務
  • 臨床試験データが作成されるまでのプロセスを管理し、リスク(被験者の安全性や治験結果に与える影響)に応じた点検を行います。疑義事項があればモニター等に事実を確認し、治験責任医師やモニターがどう判断したのか、後から説明できるように適切に記録を残します。
  • 臨床試験が適切に実施されるよう臨床試験管理システム等を用いて臨床試験の進捗状況を管理します。潜在的なリスクの特定にもITが活用されています。
  • 重大な問題が発生した際はその根本原因を探り、是正措置・予防措置(CAPA)を講じます。具体的には、手順書の改訂やトレーニングを実施し、再発防止に向けた取り組みを行います。

GCP:Good Clinical Practice 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
CAPA:Corrective Action & Preventive Action 是正措置・予防措置

データマネジメント

臨床試験では試験に関する様々なデータを医療機関から入手します。データマネジメントとは入手したデータの品質を確認し適切に管理する業務のことです。
データマネジメント担当者は、医療機関より入手した患者背景、検査結果、有害事象、併用薬等のデータの整理を行います。
データ不足や記載ミスを抽出し、疑義点についてはモニター等に問い合わせます。データの整理や疑義点の抽出には専門的な知識が必要であり、データマネジメント担当者が各データ間の整合性を取り品質を確認することで統計解析が行えるようになります。

統計解析

統計解析とは、入手したデータを統計学に基づいて分析し、様々な視点から解析を行うことで治験薬の効果や安全性を評価することです。
治験薬の効果を客観的かつ正確に評価するため、統計解析担当者はデータマネジメント担当者が整理したデータを解析し、効果と安全性を評価します。統計解析には様々な手法があるため、統計解析担当者が最適な解析方法を選択する必要があります。この評価された結果が臨床試験の成績として論文などに公表され、また、医薬品の承認申請のため厚生労働省に提出されます。

外部リンク

臨床開発に関する詳細な情報を知りたい方は、下記外部リンクをご参照下さい。